
お酒をネットで売るには|年齢確認と通信販売免許の基本
「地元の美味しいお酒を、ネットでも売ってみたい」。そう思って準備を進めていたら、ふと手が止まる。「そういえば、お酒ってネットで売るのに何か許可がいるんだっけ?」——食品や雑貨と同じ感覚で売り場を作り始めてから、あとで「実は免許が必要だった」と気づく。これは、意外とよくある話です。
お酒のように、買う人の年齢を確かめる必要がある商品には、普通の商品にはない「売る前に押さえておくこと」があります。知らずに売り始めてしまうと、最悪の場合、売り場を一度閉じて取り直し……となりかねません。でも、順番にひとつずつ確認していけば、こわがる必要はありません。
今日は「お酒をネットで売る」を例に、年齢確認が必要な商品を扱うときの基本を、はじめての方にも分かるように整理します。最後まで読めば、「まず何から確かめればいいか」がはっきりするはずです。
結論:お酒をネット(通信販売)で売るには、お店の住所を管轄する税務署に申請して通信販売酒類小売業免許(お酒をネットやカタログで売るための免許)を受ける必要があります。食品や雑貨の感覚で、免許なしに売り始めることはできません。
あわせて、買う人が20歳以上かどうかを確かめる「年齢確認」と、そのための表示も必須です。「お酒を売る許可」と「年齢を確かめる仕組み」はセットで用意する——これが出発点です。たばこのように、そもそもネット販売が基本的に認められていない商品もあるため、売り始める前に「自分の商品はどの区分か」を確かめることが、いちばんの安全策になります。
いま何が起きているか|「売れる商品」と「売っていい商品」は別
ネットショップは、商品を登録すればすぐに売り場を作れます。この手軽さは大きな魅力ですが、だからこそ見落とされがちなのが、「技術的に売れること」と「法律的に売ってよいこと」は別だという点です。
多くの商品は、特別な許可がなくても販売できます。一方で、お酒・たばこ・一部の医薬品・中古品など、売るために許可や免許、届出が必要な商品が存在します。これは、お客さんや社会を守るための決まりです。なかでもお酒は、20歳未満の飲酒を防ぐという目的から、売り方そのものにルールが定められています。
ネット販売の場合、対面と違って店員が相手の顔を見られません。そのため、「買おうとしている人が本当に20歳以上か」を画面越しに確かめる仕組みが求められます。お酒をネットで売るには、(1) 売るための免許、(2) 年齢を確かめる仕組み、の両方が必要になる——これがいちばんの基本です。
厄介なのは、これらを知らずに売り始めても、最初は普通に注文が入ってしまうことです。問題に気づくのは、あとになってから。だからこそ、売り場を作る前に「自分の商品に必要な手続き」を確かめておくことが、遠回りのようでいちばんの近道になります。
具体例|お酒をネットで売るまでの3ステップ
では、お酒をネットで売る場合を例に、準備の流れを3つのステップで見ていきましょう。ここでは全体像をつかむことを目的にします。細かな要件は変わることもあるため、実際に進めるときは必ず公式情報と専門家に確認してください。

ステップ1:通信販売酒類小売業免許を申請する
お酒をネットやカタログで、2つ以上の都道府県のお客さんに売る場合、通信販売酒類小売業免許が必要です。これは、お店の所在地を管轄する税務署に申請します。申請では、販売計画や仕入れ先、売り場(サイト)の表示内容などを示す書類をそろえます。審査には一定の期間がかかるため、売り始めたい時期から逆算して、早めに動くのが安心です。
なお、実店舗で対面でお酒を売る場合は別の免許(一般酒類小売業免許)になります。「ネットで売る」のか「店頭で売る」のかで必要な免許が変わる、と覚えておきましょう。扱えるお酒の範囲にも条件があるため、申請前に税務署や酒類の専門家に相談するのが確実です。
ステップ2:年齢確認の仕組みを用意する
免許と並んで欠かせないのが、年齢確認です。ネット販売では、国の表示基準により、買う人が20歳以上かどうかを確かめる手順を設けることが求められます。具体的には、次のような形が一般的です。
- 商品ページや購入手続きの途中で、「20歳以上ですか」と問いかけ、20歳未満の方は購入できないことを明確に伝える。
- 注文時に生年月日や年齢の申告を求める。
- お酒の商品ページや広告に、「20歳未満の飲酒は法律で禁止されている」旨の表示を入れる。
ポイントは、「見えるところに、はっきり」置くことです。ページの隅に小さく書くのではなく、お客さんが必ず通る場所で、迷わず分かる形にします。
ステップ3:サイトの表示と注意書きを整える
最後に、売り場全体の表示を整えます。お酒のページには年齢確認の文言を入れ、サイトには特定商取引法に基づく表記(販売者の氏名・住所・連絡先などを示すページ)も必要です。これはお酒に限らず、ネット販売全般で求められるものです。表示の基本は特定商取引法に基づく表記の作り方にまとめています。
ちなみに、たばこはお酒とは扱いが異なり、対面での年齢確認が原則とされるため、ネットでの通信販売は基本的に認められていません。「年齢確認が必要=ネットで売れる」とは限らない、という点にも注意してください。自分の商品にどんな許可や制限があるかは、販売に許可がいる商品(古物・食品・化粧品など)の基本もあわせて確認すると全体像がつかめます。
あなたへの影響
- 売り始める前に必要な免許・手続きを押さえておくと、「あとで売り場を閉じて取り直し」といった大きな手戻りを防げます。時間もお金も、無駄になりません。
- 年齢確認や表示をきちんと用意しておくことは、お客さんや社会に対して誠実なお店である、という信頼につながります。これは長く続けるうえで大きな財産です。
- 「自分の商品はどの区分か」を確かめる習慣がつくと、お酒以外の商品を増やすときにも、必要な手続きに自分で気づけるようになります。
- 逆に、知らずに売ってしまうと、行政からの指導や販売停止など、お店の信用を損なうリスクがあります。最初のひと手間が、その後の安心を守ります。
明日やること
- いま売りたい(売っている)商品の中に、お酒・たばこ・医薬品・中古品など、許可や免許が必要なものが含まれていないか書き出す。
- お酒を扱うなら、国税庁の公式情報で通信販売酒類小売業免許の概要を確認し、管轄の税務署への相談を予定に入れる。→ 国税庁 お酒に関する情報
- 年齢確認の仕組み(購入前の「20歳以上ですか」の確認・年齢表示)を、いまの売り場でどう実装できるか、使っているカートの設定を確認する。
- 判断に迷うところは、税務署・自治体の窓口や、酒類・法務の専門家に相談する。公式情報と専門家への確認を、準備の「関所」として組み込む。
年齢確認が必要な商品は、たしかにひと手間多く感じるかもしれません。でも、それは「この商品を安心して届けるための準備」です。順番にひとつずつ確かめていけば、必ず前に進めます。まずは「自分の商品はどの区分か」を知るところから。その一歩が、あなたのお店を長く続く確かなものにしてくれます。

チェックリスト
- 売りたい商品に、許可・免許・届出が必要なものが含まれていないか確認した
- お酒をネットで売る場合、通信販売酒類小売業免許が必要だと理解している
- 免許は管轄の税務署に申請し、審査に期間がかかることを見込んでいる
- 購入前に「20歳以上ですか」と確かめる年齢確認の仕組みを用意している
- お酒のページ・広告に「20歳未満の飲酒禁止」の表示を入れている
- 特定商取引法に基づく表記(販売者情報)をサイトに用意している
- たばこなど、ネット販売が原則認められない商品を混同していない
- 迷うところは国税庁などの公式情報と専門家に確認する運用になっている
関連テンプレート・無料ツール
- ▶ 販売に許可がいる商品(古物・食品・化粧品など)の基本
- ▶ 食品をネット販売するときの表示・許可 完全ガイド
- ▶ 特定商取引法に基づく表記の作り方
- ▶ 商品ページ改善チェックリスト50
- ▶ EC利益計算ツール(ROAS / 利益率 / LTV)
「自分の商品、ネットで売るのに許可がいるのか分からない」——そんなときは、扱っている(扱いたい)商品を教えてください。無料診断で、確認しておきたい手続きのポイントを整理してお返しします。
参考(公式・一次情報)
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