スマートフォンの商品ページの下にある「こんな商品もいかがですか」という並びを見て、思わずもう一つ気になる商品に目をとめて嬉しそうにしているお客さんの情景

関連商品・レコメンド枠の見せ方|回遊と客単価を伸ばす置き方

「関連商品の枠、いちおう付けてはいるんです。でも、ちゃんと効いているのか、正直わからなくて」——そんな声をよく聞きます。商品ページの下に「この商品を見た人はこちらも」と並べてはみたものの、クリックされている実感がない。むしろ、ただ賑やかしで置いているだけになっている。心当たり、ありませんか。

でも、思い出してみてください。実店舗でレジ横のガムやお菓子に、つい手が伸びたこと。あれは「置き場所」の力です。ネットショップの関連商品も同じで、何を・どこに・どう見せるかを少し整えるだけで、お店の中を見て回ってもらえて、「ついでにこれも」が自然に生まれます。今日は、AI(人工知能)の機能に頼らず、あなたの手で今日から直せる関連商品・レコメンド枠の作り方を、一緒に見ていきましょう。

結論:関連商品・レコメンド枠(「あなたへのおすすめ」「こちらもいかがですか」の並び)は、(1)何を並べるかを目的別に決める、(2)ページの中で置く場所を役割で分ける、(3)選ぶ理由が一目でわかる見せ方にする——この3つで、回遊(お客さんがお店の中を見て回ること)と客単価(1回の注文で使われる金額)が変わります。コツは、枠を「なんとなく全部同じおすすめ」にしないこと。「一緒に使うもの」「似ていて比べたいもの」「ワンランク上」の3種類を、それぞれ合う場所に置き分けましょう。まずは主力商品1ページで、枠を1つ、目的をはっきりさせて置き直すところから始めます。

いま何が起きているか|「とりあえずの関連商品」は素通りされている

多くのお店で、関連商品枠は「システムが自動で出してくれる並び」を、そのまま置いているだけになりがちです。売れ筋を機械的に並べただけの枠は、見ているページと関係が薄く、お客さんの目には「広告みたいなもの」として素通りされてしまいます。

これはもったいない状況です。せっかく商品ページまで来てくれたお客さんの多くは、その1商品を見て、買うか買わないかを決めて、そのまま去っていきます。でも本当は、「この商品も気になるけど、他にどんなのがあるんだろう」「これと一緒に何を買えばいいんだろう」と、心の中で次の一歩を探していることが少なくありません。その気持ちに、関連商品枠がうまく応えられていないのです。

ここで大事な考え方が2つあります。ひとつはクロスセル(買おうとしている商品と“一緒に使うもの”をすすめること。例:カメラにSDカード)。もうひとつはアップセル(同じ用途で“ワンランク上”をすすめること。例:容量の大きいモデル)。この2つは狙いも置き場所も違うのに、ひとまとめの「おすすめ」で雑に並べてしまうと、どちらの効果も薄れてしまいます。関連商品枠を活かすとは、この「役割の違い」をページの上で整理してあげることなのです。

具体例|関連商品枠は「3つの役割」で置き分ける

1つの商品ページの中で、関連商品の枠を「一緒に買う」「似た商品」「ワンランク上」の3つの役割に分けて置く場所を示した概念図
同じ「おすすめ」でも役割はちがう。一緒に使うもの・比べたいもの・上位版を、合う場所に置き分ける。

関連商品枠は、次の3つの役割に分けて考えると、一気に整理できます。主力商品1ページで、できるところから試してみてください。

①「一緒に買うもの」枠 → 購入ボタンのすぐ近くに いま見ている商品と一緒に使うものをすすめる枠です(クロスセル)。カメラなら予備バッテリーやケース、コーヒー豆ならフィルターやミル。「買おう」と気持ちが固まった瞬間がいちばん響くので、購入ボタンやカートの近くに置くのが効果的です。「これも必要でしたよね?」と、買い忘れをそっと防いであげるイメージです。まとめて見せたいときは、まとめ買い・セット割の見せ方や客単価を上げるセット販売・クロスセルの考え方とあわせると、ぐっと自然になります。

②「似ていて比べたいもの」枠 → 商品説明の下あたりに 「この商品もいいけど、他の色や型も見たい」という気持ちに応える枠です。同じカテゴリの近い商品を並べ、迷っている人が比べて選べるようにします。ここは「買う」より「まだ選んでいる」段階なので、購入ボタンの真横ではなく、商品説明を読み終えたあたりが自然です。選びやすくする見せ方は比較表で『選ぶ理由』を作る商品ページが参考になります。この枠がしっかり効くと、1商品で去られずにお店の中を見て回ってもらえ、離脱(そのまま帰ってしまうこと)を減らせます。

③「ワンランク上・関連の売れ筋」枠 → ページ下部に 同じ用途でもう少し良いもの(アップセル)や、そのお店の売れ筋・季節のおすすめを見せる枠です。ページのいちばん下は「この商品は今回は違ったかな」という人の受け皿になります。ここで別の出会いを作れれば、せっかくの訪問を無駄にしません。カテゴリ・一覧ページの改善やサイト内検索の改善とあわせて、「行き止まりを作らない」導線にしていきましょう。

選ぶ理由を「一言」そえる どの枠でも共通して効くのが、なぜこれをすすめるのかを一言そえることです。ただ商品画像を並べるのではなく、「このカメラと一緒に選ばれています」「同じシリーズの人気色」「もう少し容量が欲しい方へ」といった見出しを付けるだけで、クリックされやすさが変わります。あわせて、価格・在庫・評価(星)が枠内でも見えると、お客さんは枠から離れずに判断できます。星の見せ方はレビュー(星評価)の見せ方が参考になります。

見せ方で気をつけたいこと(景品表示法の観点)
・「セットで“通常より安い”」と見せるときの二重価格に注意:比較の元になる価格(通常価格など)は、実際に販売していた事実にもとづくものにします。売っていない“架空の高い価格”と比べて安く見せるのは、景品表示法(有利誤認など)の観点で問題になりえます。→ 割引や「◯円お得」を枠内で見せるなら、根拠のある価格を使う。
・「人気No.1」「みんな買っています」などの言い切り:根拠のない最上級・断定は避けます。→ 「よく一緒に選ばれています」など、事実にもとづく穏やかな表現に。
・枠を詰め込みすぎない:おすすめを大量に並べると、かえって選べず離脱の原因に。→ 1枠あたり4〜6商品を目安に、役割ごとにすっきりと。

くわしい表現ルールは消費者庁|景品表示法(表示規制の概要)も確認しておくと安心です(数値は「例」であり、実際の効果や順位を保証するものではありません)。

あなたへの影響

明日やること

  1. 主力商品を1つ選び、その商品と一緒に使うものを3〜5点、紙に書き出す(クロスセルの候補)。
  2. その商品を検討している人が比べたくなる似た商品を3〜5点、書き出す(色違い・型違い・近い価格帯など)。
  3. 商品ページに、「一緒に買うもの」枠を購入ボタンの近くに、「似た商品」枠を商品説明の下に置き分ける。
  4. それぞれの枠に、「なぜこれをすすめるか」の一言見出しを付け、価格・在庫・星評価が枠内で見えるようにする。
  5. 割引やセット価格を見せる場合は、比較の元の価格に根拠があるか(二重価格になっていないか)を確認する。
  6. 2〜4週間、枠のクリックや客単価の変化を見て、他の商品にも広げる。効果を比べたいときは1要素ずつ変える。

関連商品・レコメンド枠チェックリスト

関連商品の枠は、ただの飾りでも、売上を無理やり足す仕掛けでもありません。それは、「あなたが探しているもの、もしかしてこれじゃないですか」と、お客さんの次の一歩にそっと寄り添う案内板です。役割を分けて、理由を一言そえる。たったそれだけで、素通りされていた枠が「ありがとう、これも欲しかった」に変わります。まずは主力商品1ページ、枠を1つ置き直すところから。あなたのお店の中を、もっと楽しく歩いてもらいましょう。

お店の担当者が、お客さんがお店の中をあちこち楽しそうに見て回っている様子を、あたたかく見守って笑顔になっている明るい情景

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参考(公式・一次情報)

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